一言で言うと: 自分で解決策を提案したり引き受けたりする代わりに、それを考える役目を他人に押しつけること。
別名・関連用語: 意思決定の回避、行動の転嫁、「みんなはどうすればいいと思う?」型の受け流し、学習性無力感のポーズ。
これは何か
問題が、そのままあなたの手元に投げ返されてくる。
自分の担当領域の問題を指摘されると、この人物は改善案を出す代わりに、決める作業をグループ全体、あるいは指摘してきた相手のほうへと押し戻す質問で返します。「これについて、どうすればいいと思いますか」。クリストファー・アンダーソンによる2003年の総説「The Psychology of Doing Nothing」(『Psychological Bulletin』誌)は、ある結果について強い個人的な説明責任を感じていながら、そこに至る確かな道筋が見えないとき、意思決定の回避、つまり選択の先延ばし、現状維持バイアス、行動の停止すべてが起こりやすくなることを明らかにしました。
この手口は、普通の、むしろ協調的にすら聞こえる本能を乗っ取っています。相手の意見を求める、温かい調子の直接的な依頼(「あなたならどうする?」)は、ほとんど自動的な協力を引き出します。自分がどう思うかという直接の問いに答えるのを拒むことは、非協力的、あるいは回避的だと受け取られてしまうからです。解決策を他人に考えさせることで、この人物は表向き「関わっている」ように見せ続けられます。うなずき、アイデアを募りながら、自分の提案が批判されたり、自分の当事者性が問われたりすることを一度も引き受けずに済むのです。
職場でどう現れるか
あるマネージャーが、自分のチームのプロセスがクライアントの遅延を繰り返し引き起こしていると指摘されます。その返答は、まるで拒絶ではなく招待であるかのように、温かく発せられます。「正直、あなたのほうが私よりこの件に詳しいですよね。何を変えるべきか書き出して、それについて話し合いましょう」。二週間後、指摘した側の名前がついたメモが回覧され、リソースの手当てもないまま実行が始まり、次の振り返りの会は、その計画の何がうまくいかなかったのかという問いから始まります。
どのように機能するのか
- 対決。 マネージャー自身の担当領域における具体的な問題が、詳細とともに指摘されます。
- 温かい押し返し。 「それは本当に良い指摘ですね。あなたならどうしますか」。協調的に、むしろ持ち上げるようにさえ聞こえます。これはまた、戦略的無能の根底にある姿勢そのものであり、その証拠版の姉妹にあたります。立証責任のすり替えが立証の負担を逆転させるのに対し、こちらは解決策を提案する負担を逆転させます。
- 移転が完了する。 指摘した側の計画がうまくいけば、それを後押ししたマネージャーの手柄になります。手柄は考案者ではなく後押しした人についていくものだからです(手柄泥棒/アイデアの横取り)。うまくいかなければ、それは最初から指摘した側のアイデアだったことになり、マネージャーはただ「他の意見にも耳を傾けていただけ」だったことになります。これはスケープゴート化で説明されている、きれいな着地です。
- 結末。 マネージャーの記録には、どちらに転んでも、関与し開かれたリーダーシップが残ります。もともとの問題を引き起こしたプロセスそのものは実際には変わりません。それを構造的に変える権限を持つ誰かが、実際にそうする必要に一度も迫られないからです。
なぜそうするのか
何も提案しなければ、提案が失敗することもありません。解決策の当事者性、そしてそれに伴うリスクは、他の誰かのもとに留まり続ける一方で、マネージャーは説明責任があるかのような外見を、その実際のリスクを一切引き受けることなく保ち続けられます。
自分を守るには
当事者性はその人にあります。それを、その人に返すことができます。
- きれいに押し返しましょう。「これはあなたの担当領域ですよね、次に取る具体的な一歩は何ですか」。この問いをあなた自身が答える側に回らないようにします。
- 計画の期限を書面で設定しましょう。「[日付]までに、何を変えるかを持ってきてもらえますか」。
- 計画が出てきたら、担当者と期日をセットにして書面で残しましょう。そうすれば、第3段階の手柄あるいは非難の移転が突き当たる紙の記録ができます。
- 慢性的に繰り返されているなら、パターンを指摘しましょう。「この質問がいつも、あなたからの提案ではなく私に返ってくることに気づきました」。
関連リンク: 立証責任のすり替えは、提案された解決策ではなく立証責任のほうがずらされる、証拠面での双子です。戦略的無能は、この手口が根を張る姿勢そのものです。手柄泥棒/アイデアの横取りとスケープゴート化は、計画がうまくいくかどうかによって分かれる二つの出口です。「上」への棚上げは、問題を下に返すのではなく上に押し上げる、姉妹にあたる手口です。
出典:
- Christopher J. Anderson, “The Psychology of Doing Nothing: Forms of Decision Avoidance Result from Reason and Emotion” (2003), Psychological Bulletin, 129(1), 139-166, SSRN、説明責任のプレッシャー下での意思決定の回避を特定した査読済みの総説。
- CHS Alliance, Ten Psychological Tactics for Avoiding Accountability、行動回避のパターンに対する実践的な対抗策。
このラベルについて: このサイト独自の呼称ですが、説明責任のプレッシャー下における「意思決定の回避」という確立した研究概念に基づいています。
- 1指摘される自分が責任を持つ領域の中の問題について、指摘を受ける。
- 2突き返す解決策を提案する代わりに、「どうすればいいと思う?」と周りに聞き返す。
- 3責任から距離を置く関わっているように見せながら、批判されるかもしれない提案のリスクは他の誰かに押し付ける。
